「アスリートの “当たり前” は、社会では特別な力になる」という話

「それって、普通のことですよね?」

以前、元アスリートと面談をしていた時、私の問いかけに、こう聞き返されることがありました。
今日は、アスリートが当たり前だと思っている習慣が、実は特別な力かもしれない、という話をします。

目次

目次

  1. 「それ、普通のことですよね?」と聞き返してしまった日
  2. 「当たり前」だと思っていることほど、実は特別なこと
  3. 褒められて、初めて気づいたこと
  4. 習慣になるまで叩き込まれた人と、そうでない人の差
  5. あなたが「当たり前だ」と思っていることは何ですか
  6. その「当たり前」に、一緒に名前をつけていきたい

❶ 「それ、普通のことですよね?」と聞き返してしまった日

例えば、新しいチームに入って、「意識が高いね」「すごく丁寧だね」と褒められた経験はないでしょうか。
そう言われた瞬間、つい思ってしまう。
「それ、普通のことだよな…..」と。

本人にとっては息を吸うのと同じくらい当たり前の行動なので、なぜそんなに驚かれるのか、最初はピンとこないんですね。
この戸惑い、実は元アスリートの相談者から聞いたことがあります。


❷ 「当たり前」だと思っていることほど、実は特別なこと

自分にとって当たり前すぎることには、人はなかなか気づけません。

特にアスリートのように競技の世界で長く過ごしてきた人は、ある種の習慣を意識しないレベルまで叩き込まれています。
それは才能ではなく、毎日繰り返してきた結果です。
だから自分ではその習慣に価値を感じにくいし、「これくらい誰でもやっている」と思い込んでしまう。
でも、同じレベルでそれを続けられる人は、実はそう多くありません。


❸ 褒められて、初めて気づいたこと

元アスリートとの面談の中で、こんな場面に出会いました。

その人は、集合時間より早く準備を終わらせるのが習慣でした。
それだけのことで「意識が高いですね」と言われて戸惑ったそうです。
本人からすれば、遅刻を防ぐための当然の行動だったから。

別の人は、ミスを指摘されたときに間を置かず「ありがとうございます、すぐ直します」と返す癖がありました。
上司にはそれが驚きだったようですが、言い訳をしないことは競技の世界では基本中の基本だったと言います。

体調やコンディションを毎日記録していただけなのに、「自己管理能力が高い」と評価された人もいました。
本人としては、練習を続けるためのただの日課のつもりだったのですが。

共通しているのは、能力の差ではなく「意識せずにできること」の差だということです。


❹ 習慣になるまで叩き込まれた人と、そうでない人の差

なぜここまで受け止め方に差が出るのでしょうか。

競技の世界は、行動が結果に直結する環境です。
準備を怠れば記録に表れますし、体調を崩せば練習に穴が開く。
だから望ましい行動が、考えるより先に体に染みついていきます。

一方、多くの職場では、そうした習慣を徹底的に訓練される機会は意外と多くありません。
「早めに準備する」「素直に指摘を受け止める」ことの大切さは、頭では誰もがわかっています。
ただ、それを無意識にできるレベルまで習慣化している人は限られている。

つまり、アスリートのあなたが「当たり前」だと思っている行動は、多くの人にとっては「意識しないとできない」行動なんです。
その差が、周囲から見たときの評価の差として表れます。


❺ あなたが「当たり前だ」と思っていることは何ですか

少し振り返ってみてください。

誰かに「すごいですね」と言われたのに、自分では「え、これが?」とピンとこなかったこと、ありませんか。

もう一つ。意識せずに毎日続けている習慣を、一つだけ挙げるとしたら何でしょう。

今すぐ答えが出なくても大丈夫です。
その問いだけ、頭の片隅に置いてもらえたらと思います。


❻ その「当たり前」に、一緒に名前をつけていきたい

自分にとって当たり前すぎることほど、自分では意識しないものです。
外側から見た人だからこそ、気づけることもあります。

だから私は、キャリアコンサルタントとして、アスリートのあなたの「当たり前」に光を当てる役割を担いたいと思っています。
新しく何かを身につける前に、すでに持っているものに気づいてほしいんです。

次に誰かから「それ、すごいですね」と言われたら、少し立ち止まってみてください。
そこに、あなたの強みの名前が隠れているかもしれません。

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