「自分にはスポーツしかない」と思っているアスリートほど、可能性を見落としている

競技に本気で向き合ってきた人ほど、「自分にはスポーツしかない」と感じやすいことがあります。
今回は、その言葉の奥にある不安と、本当はすでに持っている可能性にどう気づいていくかを、キャリア支援の視点から考えてみたいと思います。

目次

目次

  1. 1.「自分にはスポーツしかない」と思う瞬間ほど、将来のことが少し怖くなっている
  2. 2. 本当は、“スポーツしかない”のではなく、“スポーツの中で育てた力”が見えていないだけかもしれない
  3. 3. いまは、現役中から自分の可能性を知っていくことが、特別ではない時代になっている
  4. 4. 可能性を見落としやすい理由① “できて当たり前” の中に、自分の強みが埋もれている
  5. 5. 可能性を見落としやすい理由② “競技しかしてこなかった” という言葉が、自分の未来を狭くしてしまう
  6. 6. 私が感じるのは、“可能性を自分で小さくしてしまうアスリート” が多いということ
  7. 7. 自己理解は、“何がしたいか” を探すことより、“自分の中にすでにあるもの” を見つけ直すことから始まる
  8. 8. “自分にはスポーツしかない” と思っていた人ほど、気づいたときに未来が広がることがある

1.「自分にはスポーツしかない」と思う瞬間ほど、将来のことが少し怖くなっている

競技に打ち込んできた時間が長いアスリートほど、ふとした瞬間にこう思うことがあるのではないでしょうか。
・自分にはスポーツしかない。
・競技を離れたら、自分に何が残るのだろう。
・社会に出たとき、自分は通用するのだろうか。

以前にも触れましたが、アスリートにとってこの感覚は、決して珍しいことではありません。
むしろ、本気で競技に向き合ってきたアスリートほど、ごく自然に抱きやすいものだと思っています。
毎日の練習、試合、遠征、調整。
そこに全力を注いできたからこそ、競技の外にある世界が遠く見えてしまうのではないでしょうか。

でも私は、この言葉を聞くといつも思います。
「スポーツしかない」のではなく、スポーツの中で育ててきたものが、まだ自分に見えていないだけかもしれないのではないかと。


2. 本当は、“スポーツしかない”のではなく、“スポーツの中で育てた力”が見えていないだけかもしれない

アスリートは、自分に厳しい人が多いです。
だから、自分が当たり前にやってきたことを、強みだと思わないのだと感じています。

毎日続けること。
体調を整えること。
感情をコントロールすること。
結果が出ない時期でもやめずに向き合うこと。
仲間と息を合わせること。
苦しいときに立て直すこと。

こういう振る舞いは、競技の世界では「やって当然」に見えるかもしれませんが、社会ではとても価値のある力です。

問題は、それが本人には当たり前すぎて、力として見えていないことだと感じております。

だから、「自分にはスポーツしかない」と感じるときほど、一度立ち止まって考えてみてもらいたいです。

「自分は、競技を通して何を身につけてきたのだろう」と。


3. いまは、現役中から自分の可能性を知っていくことが、特別ではない時代になっている

少し前までは、現役中に引退後のことを考えるのは、どこか気が早いように見られたかもしれません。
でも今は、その流れが確実に変わってきているのを感じます。

競技に集中することと、自分の将来を少しずつ考えることは、対立するものではなく、むしろ、将来の不安が小さくなるほど、今の競技にも気持ちを向けやすくなる。
私は、アスリートのキャリア支援にかかわって、引退した何人かの元アスリートの方々と対話する中で、そう、感じております。

現役のアスリートは、特にプロとして活躍している人ほど、未来のことがまったく見えないほど、今の結果に気持ちを持っていかれやすくなります。
でも、「競技の先にも道がある」と少しでも感じられると、目の前の勝負に落ち着いて向き合えるようになるのではないでしょうか。

だから、自分の可能性を知ることは、競技への集中を弱めるものではなく、今を支える土台にもなると、声を大にして申し上げたいです。

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4. 可能性を見落としやすい理由① “できて当たり前” の中に、自分の強みが埋もれている

さて、では何故、アスリートは自身の可能性を見落としやすいのか、私なりに考えてみました。
その一つ目の理由は「強みが日常に埋もれていること」です。

たとえば、
・毎日決まった時間に起きること。
・練習や試合に向けて準備を整えること。
・しんどいときでも自分の役割を果たそうとすること。
現役の時では、こうしたことは普通のことと思えるかもしれません。

でも、それは本当は普通ではなく、
継続力、自己管理力、責任感、調整力
このようなスキルを持っているアスリートは、社会で活かしていくならば、必ず信頼されていきます。

でもアスリート本人がそれを「ただやってきただけ」と思っている限り、可能性は見えにくいままです。
だからまず必要なのは、自分の “当たり前” を軽く見ないことだと思います。


5. 可能性を見落としやすい理由② “競技しかしてこなかった” という言葉が、自分の未来を狭くしてしまう

「競技しかしてこなかったんです」と、多くのアスリートが自己理解をします。
ん。。。。でも、私は思います。
本当にそうだろうか、と。

競技しかしてこなかったのではなく、競技を通してたくさんのことを積み上げてきたのではないか、と。
そういう見方に変わるだけで、アスリートが自分の未来を見るときの見え方は大きく変わるのではないでしょうか。

言葉は、思っている以上に強いです。
自分を小さく言い表せば、その言葉通りに未来も小さく見えてしまう。
だからこそ、自己理解は「何がしたいか」を探す前に、「自分をどう見ているか」を見直すことから始まるのだと思います。


6. 私が感じるのは、“可能性を自分で小さくしてしまうアスリート” が多いということ

現役のアスリートや引退後の人たちとキャリアの話をしていて感じるのは、アスリートには本当にたくさんの力があるということです。
話していくうちに、強みも、経験も、支えてきた役割も、少しずつ出てきます。

でも本人は、それを強みだと思っていない。
「大したことではない」
「みんなやっていること」
そう言ってしまう。

私はそこに、もったいなさを感じます。
可能性がないのではなく、自分で小さくまとめてしまっているだけのことが多いからです。

だから私は、キャリア支援とは新しい何かを足すことだけではないと思っています。
その人の中にもうあるものを、一緒に見つけ直していくことでもある。
その時間が、次の一歩を支えるのだと確信しています。


7. 自己理解は、“何がしたいか” を探すことより、“自分の中にすでにあるもの” を見つけ直すことから始まる

いきなり「将来何がしたいですか」と聞かれても、すぐ答えられないのが普通です。
その代わりに、例えばこう考えてみてください。
「自分はどんなときに自然に動けていたか」
「違和感を感じない役割は何だったか」
「どんな場面で人に喜ばれていたか」

自己理解は、未来の職業名を無理に見つけることではありません。
今までの自分を丁寧に見つめ直すことです。
その先に、次の道は少しずつ見えてきます。


8. “自分にはスポーツしかない” と思っていた人ほど、気づいたときに未来が広がることがある

キャリアについて自分にはどんな可能性があるのか、といことは今はまだ、はっきり見えていなくても、焦る必要はありません。
可能性は、ゼロなのではなく、まだ言葉になっていないだけかもしれません。

競技に本気で向き合ってきた人ほど、その中で多くの力を育てています。
それに気づけたとき、未来は思っていたより広かったと感じることがあります。

だから、今の自分を小さく決めつけないでください。
「スポーツしかない」ではなく、
「スポーツの中で、ここまで育ててきたものがある」
そう見直せたとき、次の人生の景色はきっと変わっていくと信じて。

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未来共創キャリ

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