競技中はあんなに応援してもらえていたのに、引退後に「あれ、自分って社会で何者なんだろう」と感じた経験はありませんか?
——そのギャップに戸惑うアスリートへ、今日はその正体と、現役中にできることを私なりに考えてみました。
目次
- 引退した瞬間、アスリートとしての「応援」が消えた——あの静けさの正体
- 「応援される」と「選ばれる」は、まったく違うメカニズムで動いている
- 現役中に「選ばれる準備」を始めるために
- 「応援してもらえた自分」は、「選ばれる自分」の原石だった
- あなたが「選ばれる理由」は、すでに競技人生の中にある
1. 引退した瞬間、アスリートとしての「応援」が消えた——あの静けさの正体
記憶に残っている場面があります。
以前、引退後の元選手と対談をしたときに、彼女はこう言いました。
「引退してから、誰も自分に期待してくれない気がしまして……なんか、透明人間になったみたいです」
現役中は試合のたびに観客が声援を送り、スポンサーが支援し、チームの中で他の選手と一体となって戦ってきた選手でした。
引退後わずか数ヶ月で、あの熱量が嘘のように静まり返ってしまった感じを、彼は受けました。
でもこれは、その選手だけの話ではありません。
元アスリートの多くが、引退後に「応援されていた自分」と「社会に出た自分」のギャップに、静かに戸惑いを感じているのではないでしょうか。
そのギャップは競技に真剣に向き合ってきたからこそ感じる、自然な感覚だと、私は思います。
でも今日は、そのギャップの正体をアスリートのあなたと一緒に見ていきたいと思います。
2.「応援される」と「選ばれる」は、まったく違うメカニズムで動いている
競技中の「応援」とは何か、改めて考えてみてください。
ん、、、ちょっと難しいでしょうか….??
これは私の考えですが、
観客が選手に声援を送るのは、選手の努力・結果・競技パフォーマンスに感動するから。
スポンサーが支援するのは、選手のブランド価値・露出・影響力に価値を感じるから。
チームがサポートするのは、勝利という共通目標があるから。
つまり競技中の「応援」は、競技の結果・肩書き・所属という文脈の上に成り立っていると考えます。
では社会で「選ばれる」とはどういうことでしょうか。
採用される。
仕事を依頼される。
一緒に働きたいと思われる。
紹介してもらえる。
これらはすべて「この人と関わることで、自分や組織にとって何か良いことがある」という相手の意思決定から生まれるものです。
競技の結果でも、所属チームでも、肩書きでもありません。
「あなたという人間」に対して、相手が価値を感じるかどうか
——それが「選ばれる」ことの本質だと思います。
この違いを知らないまま引退すると、「なぜ社会では応援してもらえないのか」という戸惑いが生まれます。
でも構造が違うのだから、戸惑うのは当然のことではないでしょうか。
3. 現役中に「選ばれる準備」を始めるために
「でも今は競技に集中したい」——その気持ちは、ごく自然で当たり前の気持ちです
本当によくわかります。
アスリートとして、その気持ちを否定する必要は全くありません。
ですので、「選ばれる準備」として、今日からできることを、2つだけご提案します。
✅「自分の競技経験を、相手のメリットに変換する練習をする」
「私は○○を10年やってきた」という話を、「その経験があるから、こんな場面で役立てます」という言葉に変えてみてください。
この変換の練習は、頭の中だけでできます。
移動中でも、練習後でも。
引退後の自己紹介が、まったく別の言葉になっていきます。
✅「会いたい人に、先に何かを届ける」
セカンドキャリアで繋がりたい業界・人がいるなら、まず「自分が相手に何を届けられるか」を考えてから動いてみてください。
「選んでほしい」より「役に立ちたい」が先にある人間が、最終的に選ばれていきます。
4.「応援してもらえた自分」は、「選ばれる自分」の原石だった
一つ大事なことだと思うことは、「応援してもらえた」という経験は、決して無駄ではない、ということです。
むしろ、それはアスリートとして「人を惹きつける何かを持っている」という証拠だと思います。
問題は、その「何か」をまだ言語化できていないことです。
言語化できれば、その力は社会でも必ず通用します。
冒頭でご紹介した元選手は、その後の私との対話を通じて「自分が現役中に大切にしてきたこと」を言葉にしていきました。
諦めなかったこと、チームのために動いてきたこと、怪我を乗り越えてきた経験——引退後に自分らしい仕事の場を見つけた彼女は、それらを「相手のメリット」に変換できるようになっていたことに気づきました。
「透明人間みたいだった」と話していた彼女が、今は自分の言葉で自分の価値を見出しています。
その変化を見たとき、私はこの仕事をしていてよかったと、心から感じられました。
5. あなたが「選ばれる理由」は、すでに競技人生の中にある
最後に、
アスリートが「社会で選ばれる理由」を外から探す必要はありません。
競技で積み上げてきた価値観、乗り越えてきた経験、築いてきた人間関係——これらはすべて、社会で選ばれるための原石です。
あとは、その原石をどう磨いて、どう届けるかだと思います。
現役中の今だからこそ、「応援される自分」から「選ばれる自分」への準備を、少しずつ始めてほしいと思っています。
ただ、そのことを知っておくだけで、引退後の動き方がまったく変わってきます。
「あなたが社会で選ばれる理由は、何だと思いますか?」
アスリートのあなたにとって、「応援される人生」も「社会で選ばれる人生」も、どちらもあなたの人生です。
どちらかを捨てる必要はありません。
ただ、社会という新しいフィールドで自分を活かすための「言葉」を見つけてみてください。
これからも、アスリートのあなたの背中をそっと押せる記事を届けていきます。


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