1. その不安は、弱さじゃない
順調に見える時ほど、
ふと浮かぶ問いがあります。
「この先も、流れに乗っていれば大丈夫だろうか」
不満があるわけじゃない。
今すぐ変えたい現実もない。
それでも、この問いが浮かぶなら——
それは迷いではありません。
人生を“選ばされるもの”から
“選びにいくもの”へ変えようとする、始まりのサインです。
ここから先は、
不安を消す話ではなく、
「選べる人生」をどうつくるかの話をしていきます
2. 不確実な時代に、「正解の道」はなくなった
少しだけ、社会全体を見てみましょう。
雇用の流動化
終身雇用の揺らぎ
副業・複業の一般化
学び直し・リスキリング支援
どれも、「個人の問題」ではありません。
社会そのものが、変化を前提に組み替わっているのです。
昔のように、
「この会社にいれば安心」
「この道を選べば正解」
そう言い切れる時代は、終わりました。
だからこそ多くの人が、不安になります。
そして同時に、「選べなくなる怖さ」を感じ始めています。
3. 必要なのは「正解の人生」じゃない
ここで、一つだけ視点を変えてみてください。
これからの時代に必要なのは、
“ 正しい人生 ”を選ぶことではありません。
必要なのは、
「選べる人生」を持っていることではないでしょうか。
選べる人生とは、
迷わない人生ではありません。
不安が一切ない人生でもありません。
環境が変わったとき、
役割が変わったとき、
「自分でハンドルを握り直せる」状態。
それが、選べる人生。
4. 実はアスリートは、ずっと「選び続けてきた」
ここで、アスリートであるあなた自身のキャリアを思い出してください。
・契約は更新制
・結果で立場が変わる
・ケガ一つで状況が一変する
・役割はシーズンごとに変わる
これ、今の社会が向かっている姿そのものです。
これからの社会は「ジョブ型雇用」や非正規・専門職では「更新制」が完全に前提となってきています。
つまりアスリートは、
不確実な世界を前提に生きる訓練を、ずっと続けてきた存在。
だから不利なのではありません。
むしろ——
時代を一歩先に生きてきただけなのです。
5. 「選べる感覚」を取り戻した瞬間
これまで複数のアスリートとキャリアについて対話してきました。
その中で、ある共通点があります。
元アスリートのエピソードで
現役中にデュアルキャリアを意識して、一歩動いた人は、こう変わります。
最初は、
「まだ必要ない気がして」
「中途半端になるのが怖くて」
そういう気持ちがあったと。
でも、少し動いたあと、こう感じたそうです。
「引退が、前ほど怖くなくなった」
「競技にも、前より集中できるようになった」
現役の収入が増えたからではありません。
肩書きが増えたからでもありません。
「競技が終わっても、自分は選べる」
その感覚を、先に手に入れただけなのです。
6. セカンドキャリアは「引退後の話」じゃない
ここで、申し上げたいことがあります。
セカンドキャリアを考えることは、
決して競技を諦めることではありません。
むしろ逆です。
備えた人ほど、今に集中できます。
引退後に考えるから、不安が膨らむ。
現役中に考えるから、余白が生まれる。
準備とは、競技を手放すことではなく、
競技人生を支える土台をつくることなのです。
7. 今日からできる「選べる人生」の3ステップ
大きく変える必要はありません。
今日できることは、これだけです。
① 競技経験を「役割」で書き出す
勝敗ではなく、
判断・工夫・支えた場面を書いてみてください。
② 無理なく関われそうな“外の現場”を一つ想像する
フルタイムでなくていい。
「ここなら関われそう」で十分です。
③ 一人で整理しない
信頼できる人、支援者、第三者に話す。
セカンドキャリア支援を使うことは、弱さではなく戦略です。
これだけで、不安は「次の一歩」に変わります。
8. あなたはもう、「選べる側」に立っている
不安は、遅れているサインではありません。
選べる立場に来たサインです。
競技を通して積み上げてきたものは、
今の社会で、確かに必要とされています。
焦らなくていい。
答えを急がなくていい。
ただ、目を閉じないでください。
その一歩は、
競技人生も、その先の人生も、
確実に支えてくれます。


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